Shio's 感じたことやら考えたことやら。。


by linsshio

ここ最近10万年の話~都市大学の野外実習のこと

先週末は東京都市大学自然科学科の野外実習の下見に同行。今回の主目的は地学実習と生物学実習の下見。参加されたのは、地学実験や生物学実験を履修している学生や院生と、先生方。先生方の専門分野は、火山、岩石、古生物学といった地学、そして植物、動物、化学。動物の先生は、トガリネズミという、手の指先二つ分くらいの小さな体の哺乳類を研究している先生と、ツチガエルの生態を研究している先生。目線の違ういろいろな分野、その分いろいろな発見があった。

その日は石空(いしうとろ)渓谷を堪能したあと、清里に向かい、先生方と合流。これ、東京都市大学の五島育英会八ヶ岳山荘。シンプルでなかなか素敵な建物。暖炉もあって、そしてお風呂も広くて大満足。
c0002089_0184396.jpg

到着したのは夕方で、夕食の後、八ヶ岳をテーマに火山の研究をされている大石先生から、火山、八ヶ岳についてのレクチャー。火山灰や火山礫など噴火で出てくるもののお話や野外での見分け方、マグマの特徴と火山の形の関係など、私には新しいことで、とても興味深かった。これが、次の日野外に出て実際に観察し、更におもしろかった。ちなみに富士山はこれまで100年ごとに噴火している火山で、前回が江戸時代で300年経っているので、いつ噴火してもおかしくないそうだ。そして山の形はマグマの含むSiO2の量によるところが大きく、多いと粘性が高いためやがてごつごつした山(溶岩ドームといって、雲仙岳や昭和新山がこれにあたるそうな)に、少ないと粘性が低く流れやすいため、冨士山のような均整のとれた山(成層火山というそうな)
になるらしい。日本の数多い火山のなかでも八ヶ岳は日本一大きいといえる火山だそうな。なんだか山梨県人としては嬉しい@^-^@

あくる朝、朝食の前に時間があったので、みんなで山荘の敷地内を観察。朝もやのなか、まだ春浅い清里の森では、やっと緑が見え始めた感じ。延齢草やカンアオイ、沢の近くではワサビが花を咲かせていた。
c0002089_0191327.jpg

これは何か動物の痕跡をみつけたときのこと。穴やら、土の盛り上がりや、足跡やら、動物の息づかいはあちこちにある。
c0002089_0195611.jpg

朝食後はバスに乗っていざ野外実習へ。これは、長野県川上村の地点A。まるで日本ではないような地層風景にびっくり。こんな機会でもないと絶対に出会えそうもない。
c0002089_0202447.jpg

地層の面を削りながら説明をしてくれる大石先生。大石先生は「ここ最近10万年では・・・。」といってお話をしてくださった。この地層は10万年前の八ヶ岳の噴火による層、これは木曽の御嶽山の噴火による層、そしてこれは桜島の・・というように、日本のどこにでも「時代のものさし」といわれる層があるらしく、それは地学の研究者の間では常識らしい。九州やら日本の果てからもとんでくるなんて、それだけでびっくり。そして岩石の先生や古生物の先生のものさしは、更にスパンが長く、何億年というものだそうだ。人間の歴史などはかないものだとあらためて思った。
c0002089_0204299.jpg

ここは別の地点。水も滴る緑の風景で、沢にはホタルの餌になるカワニナがいた。ここではホタルが美しく舞うんだね。美味しそうなセリがたくさん。薬用植物が専門のにいはら先生は食用植物にも大変お詳しい。次の日の夕食用に少しゲット。
c0002089_0221531.jpg

ここでは学生が植物観察のための材料をゲット。全草を引き抜き、新聞紙に挟んで、この標本を挟む網板(野冊)に重ねて持ち帰る。
c0002089_0222939.jpg

こんな立派な十二単が咲いていた。美しい花です。
c0002089_8343775.jpg

これは霧の松原湖にぽっかり浮かぶ(うそ)、ヤドリギ。一日前とはうってかわった寒いくらいのお天気にヤドリギってよく似合う。
c0002089_0225373.jpg


野外実習、とっても面白かった。先生方にそれぞれの専門のお話をうかがえたのもとても楽しかった。うつぼかづらがご専門の倉田先生のお話をきいていると、森を歩くときの観察の目は小さいころから養われていらっしゃったんだなと思った。次の機会には、ちゃんと心がけて、私はこのフィールドの日本のハーブについて調査してみたいなと思った。そして植物標本作りをしっかりマスターして、日本のハーブの植物標本も作りたいな。今回の野外実習でほしくなったもの、標本グッズとデジタル一眼レフ。後者はすでに買ってしまった・・。
by linsshio | 2009-05-24 18:48 | 日々のこと