奈良でのワークショップ、1日めのご報告

4/23,24は奈良でのワークショップ。2日に渡り、春の奈良の柔らかい空気を味わった。まずは一日目、奈良「万葉植物観察と正倉院薬用植物の製剤実習 のレポートを。

一日目の朝。少しだけ雨が降っていたがワークショップ前に朝のお散歩。東大寺の辺りを歩いて、朝のいい空気をたくさん頂いた。
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しかし、ワークショップが始まる頃には雨脚が強まり、春雨というほど優しいものでもなくなった。午後には雨が弱まるとの予報だったので、万葉植物園には午後に出かけることに。

まずは国際奈良学セミナーハウスの研修室にて朝のごあいさつ。万葉植物園をご担当頂く佐古佳子先生と一緒。
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最初のプログラムは私が担当、正倉院薬物としての植物についてお話をした。皆さん学びのモードで静かに聴いてくださった。
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実習では、正倉院薬物の中でも親しみのあるニッケイの樹皮(桂皮)や枝(桂枝)などを材料として軟膏を作った。まずは温浸油を作成。
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軟膏にするには、同じく正倉院薬物に納められているろうみつ、つまりみつろうが必要。こんなふうにがりがり細かくしてから溶かしてみる。このみつろうは二日目のむろう大沢農場のブルーベリー受粉のためのミツバチさんたちのみつろうさん。ミツバチさんたちはショ糖が主成分の花蜜を集めて、自分の消化酵素でエネルギー効率の良い果糖やブドウ糖に分解して、そして羽で風を送って水気を飛ばして濃くしてカビなどが生きられないくらいに濃い状態にする。あっ、ちなみにこの記事の写真は最初と最後の二枚を除いて、むろうのみねちゃんの撮影によるもの。
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さて植物の成分を植物油に抽出させながら、みなさん次は万葉植物園へと向かう。
うらめしや雨はさらに強くなっていたが、雨の万葉植物園も美しい。
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万葉植物園のワークショップでは、古の頃の日本人と植物の生活での関わりを想像できるよう佐古先生からお話し頂いた。セリもほら、こんな風に元気。
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そして、ここ奈良、万葉植物園は春らんまん。
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セミナーハウスに戻ってきたら、しばし茶を頂いて一息、そして製剤実習の続きを再開。溶かして、濾して、絞って、みつろうを入れて、こんな風にニッキバームのできあがり。みなさん、手につけ、リップにつけて、もはやこれはニッキバームというより八橋軟膏と呼べる。代謝を活性化してくれるニッキ(シナモン)の力で、お肌も健やかに。
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・・さて、時間は夕刻、これにてワークショップは終了。ご近所のしかさんの可愛いお尻をぱちり。
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by linsshio | 2011-05-02 02:09 | セミナーレポート

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