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by linsshio

パリの街レポート~その2:エルボリステリ(ハーブ薬局)

パリレポート第2弾は「Herboristerie de Place de Clichy」という名前のエルボリステリ(ハーブ薬局)のお話。この12月にThe Scottish School of Herbal Medicineを卒業し、英国メディカルハーバリストとなった石丸沙織さんに、サンジェルマンにあるエルボリステリを教えて頂いたのだが、その本店であるエルボリステリがモンマルトルのすぐ近くにあることがわかったので何回か通ってみた。


c0002089_185675.jpgモンマルトルのあたりにあるメトロの駅というと、東から西へ、アンヴェール、ピガール、ブランシュ、そしてプラス・ド・クリシー。地下鉄の一駅は簡単に歩けるほどの距離で、私の滞在していたホテルは、ブランシュとプラス・ド・クリシーの間くらいにあったので、このエルボリステリは歩いて10分ほど。地図を手にテクテク行くとこんな看板が見えてきた。


c0002089_185182.jpgアムステルダム通りの「Herboristerie de Place de Clichy」の正面。このエルボリステリは1880年に設立された歴史あるハーブ薬局で、古くから薬剤師や化学者の管理のもと経営が続けられ、現在は植物薬学、生薬学を専門とする薬学博士が経営にあたっているそうだ。最初に訪れたのは夕暮れ時、柔らかいオレンジ色の灯りが、エッフェル塔より古くからあるという歴史のもつ優しさや逞しさを物語っているようだった。


c0002089_1853231.jpgショップスタッフの方と店主で薬学博士のラヴノーさん(男性の方)。いろいろ話をききたかったので、ボンジュールとご挨拶して話しかけてみた。私は日本で植物療法や精油の作用についての研究をしていて、このエルボリステリやハーブ製剤にとても関心があるのだけれどいくつか質問してもよいですか?・・このエルボリステリのレメディの処方はすべて私のボスであるラヴノーさんが作っているの。ラヴノーさんは月曜(今日)はいないのだけれど火曜から日曜はここにいるの・・。彼女は英語の辞書を片手に真摯に対応してくれて、私は次の日にラヴノーさんにお話を伺うことができた。


c0002089_1854027.jpgショップの左の棚には、主にティザーヌ(ハーブティー)に用いるためのドライハーブが紙袋に入って並んでいる。そして右の棚には、精油、芳香蒸留水、チンキ剤、入浴剤、クリーム剤などのハーブ製剤が、植物別もしくは目的別に並んでいる。900種類ほどのハーブを常に持ち、ハーブ製剤は精油も含めてすべて奥の調合室でオリジナルで用意しているのだそうだ。


ラヴノーさんが強調していたことは2つ、精油とチンキ剤をブレンドしていること、そして、植物療法をアロパシー(対症療法)として用いていること。前者については、主に使うのは精油とチンキ剤をブレンドしたエキスで、これら二つの異なる方法による抽出物を用いることで、テルペンなどの精油成分とアルコールで抽出されるアルカロイドやヘテロシドなどの成分を同時に摂取することができ、幅広く相乗効果が得られると説明してくれた。後者については、植物療法は、慢性でも急性でも症状を緩和する力を持っており、それには植物自体の持っているアロパシー効果をそのまま用いていて、この性質を重要視していると話していた。手前にあるのは、Jean BalnetのAromatherapieとPhytotherapieの本。


c0002089_1855298.jpgショップのスペースはとても狭いのだが、いつも通っているようなマダムや初めて来たようなマドモアゼルがほとんど途切れることなく来店していた。私の相手をひとときして頂いた後、ラヴノーさんは、お客さんの一人一人と話してアドバイスしていた。忙しい中丁寧に対応してくださったラヴノーさん、そしてショップスタッフの方に深く感謝。また伺います。


c0002089_1861392.jpgハーブによって処方箋なして買えるものと医師の処方箋を元に調合されるものとあるとのこと。で、私は、menthe(ペパーミント), orange, geranium, ylang ylang, citron(レモン), muscade(ナツメグ), pample mousse(グレープフルーツ)の精油と、creme al' arnica (アルニカのクリーム)を買ってみた。精油はどれもまろやかないい香りがする。

街では、Homeopathie、Herboristerieと看板に付記したPharmacieをいくつか見かけ、植物療法やホメオパシーが日常的に用いられ、自然化粧品が注目されいているのがよくわかった。しかし大抵の薬局の店先においてあるのは、ロクシタンやヴェレダのような既に商品となっているものなどで、芳香蒸留水や精油やエキスがずらっと並ぶという光景にはあまりお目にかからない(処方箋を持って行くと奥から出てくるのだろうか)。そんな中、このエルボリステリは、エルボリステリそのもの、いわゆる新薬や既成の商品はほとんどおいていない。スタッフにきいたら、こういったエルボリステリはフランス中でも6つくらいしかないとのこと(南仏グラースのフランシス先生はパリに2つと確かおっしゃっていた)。パリに行ったらぜひ訪れてみてくださいませ。

モンマルトル近くのハーブ薬局「Herboristerie de Place de Clichy」
by linsshio | 2008-01-09 18:02 | 旅した