トトラボの清里高原冬の森ハーブ実習 一日目ルポです。
2011年 02月 03日
一つ、静かな冬の森に生き物の兆しをみる。
も一つ、冬の次に春が来ることを感じる。
・・ということで、キープのレンジャーさんのみけさんに森に連れていって頂くときもそんなこと意識した。森を体験し、そして森の植物や自然の産む恵みを収穫してお部屋で活用してみるといった流れ。
初日は、1月末にしては穏やかな天気に恵まれた。ご参加頂いた方々、冬の身支度を整えて、いざ森へと出発。まずは牧草地の方へいって、そこでみんなで探し物。

探したものは何か・・。というと、これでした。こちら、鹿のふん(そういえばふんふんふん、鹿のフンっていう歌があった)。冬は鹿の食べ物になるものが少ないが、大勢で草むらに現れてむしゃむしゃとひとときを過ごすそうだ。

さすがに冬の清里、標高1400mくらい。寒い。こんな風に霜柱の地底豪邸があちこちに出来ていた。こういった土の上に気を許して体重をかけると、ばさっと足が落ちるのだった。ばさっ。

冬の森をずんずんと進む。そしてこのあたりで雪の森とお話し。みけさんが「自分に似ているものを森で探して、自己紹介のつもりでみんなに紹介しましょう!」という。四方に枝を伸ばした木、静かな冬の森で緑を残している隈笹の葉、皮がむけて三色くらいのぶち模様のりょうぶの木・・など、森の中に静かに光る個性を自分に重ねてみんなでピックアップ。自分のことを客観的にみるにはいい時間だった。ちなみに私はとけて水になって水蒸気になって消えていく霜柱。あ~そんなさっぱりした人生を送りたい・・@^-^@

こちら、夏にみつけた自分の木との再会を喜んでいるお姿。よくぞ覚えていたっ!

そして森の小路を前の人と十分な間隔を開けて静かに一人歩いてみた。こうやって自分がこの森で過ごすペースをつかんでいく。自分を心地良い状態に保てる自分自身のペース。

森の中にはこんな大きなモミの木がいる。私たちよりずっと長く生きていてこの森から世界の様子を感じている。厳しい冬の森にも緑の生命をたたえるモミは私たちに力を与えてくれる。

そして森散歩の最後にモミの葉と枝を収穫する。今晩はモミの葉と枝を使ってリップクリームを作るのだ。

さて、ハーブのプログラムは3つ。どんなものかということとそれぞれのテーマは・・。
その1~植物染めに挑戦!~メディカルハーブの新しい魅力に出会う。色に出会う。
その2~ぷるぷるリップクリームづくり~厳しい冬にも緑の生命力をたたえるモミの木。油の包み込むような温かさを感じる。
その3~お肌しっとりクリームづくり~冬枯れした植物に生命の証をみる。流れる水の清らかさを感じる。
まずはその1の植物染め。身近な植物であるタマネギの皮から色を抽出して、エコバッグ、バンダナ、軍手を染めてみた。タマネギの色は主にケルセチンが作っている。媒染剤として、ひとつのお鍋ではみょうばん、つまりアルミニウム、そしてもうひとつの鍋では、清里の誇る温泉の湯。これ、どうみても鉄が多い。私たちが森散歩をしている間にキープの兼松さんがタンクにいっぱい採湯してくれた。

ぐつぐつ煮て、そしてそのままにして、私たちは夕食タイム。森も歩いたし、体を動かして空腹もピークのため、みんなでよく食べた。野菜も肉も美味しいっ!

・・さて、満腹の私たちを待っていたのは、じっくり染まっているはずのものたち。みんなですすいで、ほらこんな風になった!黄色がみょうばん、そしてやはり温泉水を使ったものは色は薄いが茶色が強く出た。大地の力で染まったよ~。

その後は昼に収穫したモミの葉と枝を準備して、まずは温浸油を作って、その後リップクリームづくり。モミの成分を抽出した温浸油にみつろうを溶かして、リップ型に入れて固めるのだった。柔かな唇を冷たい風邪から守ってくれるリップクリームができあがり。

・・これで一日目のプログラムは終了。キャンドルを灯し、キープの山本さんに暖炉に火をつけてもらい、ホールは更に心地良い空間に。キャンドルを前に丸く座ってみんなでおしゃべりタイム。


そして時はこくこくと経ち、あっ温泉に入らねばっ!という時間になって解散。明日の朝が待ち遠しい。外はしんしんと雪が降ってきた。しんしんしん。。(続く)
